歯並び・くせ

歯並び

お子さまの歯並びのトラブルを早期発見するために、歯並びの問題の種類をチェックしておきましょう。

出っ歯・上顎前突(じょうがくぜんとつ)

いわゆる出っ歯と呼ばれる歯並びで、下顎遠心咬合(かがくえんしんこうごう)とも呼ばれます。上顎が過度に成長していたり、下顎が上顎よりも引っ込んでいたりする状態を指します。学校保健法では、上の前歯が下の前歯より8mm以上出ている状態と定められています。

受け口・下顎前突(かがくぜんとつ)

受け口とも呼ばれ、下顎が大きい状態を指します。学校保健法では、3本以上の歯の噛み合わせが上下反対になっている状態と定めています。近年、遺伝以外の要因による受け口が増えています。

開咬(かいこう)

奥歯を噛んだ状態で上下の前歯の間にすき間ができている状態です。指しゃぶりや口呼吸などが原因となります。学校保健法では、奥歯を噛んだ状態で上下の前歯の間に6mm以上のすき間ができている状態と定められています。

八重歯・叢生(そうせい)

顎のスペースが不足しているために歯並びがでこぼこになっている状態です。歯がねじれているものや八重歯も叢生の一種です。下顎の前歯ががたがたになっている子どもが増えています。学校保健法では、歯が4分の1以上重なり合っているものと定められています。

上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)

上顎と下顎の両方が前方に出ている状態です。比較的、日本人に多くみられます。

過蓋咬合(かがいこうごう)

下顎の歯に上顎の歯が大きくかぶさった状態です。下顎の前歯がでこぼこしていたり、下顎が引っ込んでいたりすることが多いです。

交叉咬合(こうさこうごう)

前歯と奥歯を噛んだときに、左右のいずれかの歯が横にずれている状態です。放置すると顔がゆがむ恐れがあります。

すきっ歯(空隙歯列)正中離開(せいちゅうりかい)

いわゆる、すきっ歯と呼ばれる状態です。専門的には空隙歯列(くうげきしれつ)と呼ばれ、歯と歯の間にすき間ができている状態を指します。要因は、上唇小帯の異常、埋伏過剰歯、口呼吸などです。

切端咬合(せったんこうごう)

上下の前歯がまっすに生えており、先端が合わさっている状態です。

歯並びが悪くなるくせや原因

何気ないくせで歯並びが悪くなることがあります。くせの種類と歯並びが悪くなる原因は次のとおりです。

舌のクセ(舌を突き出す、歯を押す)

歯が物理的に押されることで出っ歯や叢生になります。

舌の位置が下がっている

舌の位置が弱くて上顎を支えられず、受け口、滑舌が悪い、歯茎が見えすぎる、といったトラブルが生じます。また、口呼吸を促したり顔の輪郭が崩れたりもします。

嚥下の異常

舌を正しく使えないことで頬や唇、顎の筋肉を使って飲み込むため、頬の筋肉が歯を押すことで歯並びが悪くなります。また、顔立ちが悪くなったり顎の先にしわが入ったりもします。

口周りの筋肉の異常

舌を正しく使っていない場合、筋肉に力が入りすぎたりうまく使えなくなったりして、口呼吸が促されます。さらに、顎が正しく成長しにくくなります。

口呼吸

全身への影響
  • 口呼吸をする際に首が前に出ることで身体が曲がって猫背になる
  • 鼻呼吸のようにフィルター機能がないため、菌やアレルゲンが簡単に体内に入る
  • 痰が増えて気道が汚れる
  • 口の中が乾燥して細菌が増えやすくなったり汚れが落ちにくくなったりして口臭が起きる
  • 交感神経が優位になることで睡眠の質が低下して体力や集中力に影響が及ぶ
  • 冷たくて乾いた空気が肺に入る
  • いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる
歯並び、お口への影響
  • 舌の位置が悪くなることで上顎の成長が遅くなることでスペースが不足して歯並びが乱れる
  • 唇の力が弱いのと口呼吸が重なると前歯がさらに前に出る
  • 八重歯になりやすい
  • 滑舌が悪くなる
  • 歯ぐきが見えすぎるガミースマイルになりやすくなる
  • 口の中が乾くことで自浄作用が低下してむし歯や歯周病のリスクが高まる
  • 唇の形が悪くなることで顔全体の表情筋があまり使われなくなって表情の変化が乏しくなる
  • 唇を開け閉めする際に音がなる
お顔への影響
  • 顎が正しく成長しないことで横顔のラインが崩れる
  • 上顎が前方へと成長しないことで顔立ちがのっぺりする
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